自分はどうすべきなのか、そんな悩みを抱えた若者が多いであろう現代。誰しもが抱えている悩みの一つが収まる本書。答えは出なくても、歩むべき道すじを示してくれる、そんな一冊

こんにちは!
本大好きなごむです!!
本記事では、紀里谷和明さん著の「地平線を追いかけて満員電車を降りてみた」を紹介させていただきます。
本の紹介
何かで悩む若者と、悩みを抱えた人の前に忽然と姿を現し、「出会えれば誰もがしあわせになれる」と言われるふしぎな劇場の支配人が対話形式で進んでいく本書。
第1話 成功したいあなたへ
第2話 自分を好きになれないあなたへ
第3話 やりたいことが見つからないあなたへ
第4話 仕事がうまくいっていないあなたへ
第5話 人生をあきらめかけているあなたへ
各章の主人公たちが抱くこれらの悩みは、現代の若者が抱く悩みにも大きく共通する点があるはず。
そんな内容・形式のため、自ずと感情移入して読み進めることができる一冊です。
気づいた若者を労わる和やかな支配人と、傷つきながらも本当の自分を探している若者との、心温まる対話によって、悩める読者が一歩踏み出すきっかけを作り出してくれます。
本の基本情報


作品名:地平線を追いかけて満員電車を降りてみた 自分と向き合う物語
著者:紀里谷和明
出版社:文響社
発売日:2020/8/6
ページ数:424ページ
3つの重要ポイント
自分の人生を生きる


自分の人生の方針を、世間の目を気にして決めたり、他人の期待に応えるために費やしたり、そんなことのために自分のやりたいことにフタをし、明け渡してしまってはいけません。
第1話 成功したいあなたへ P73より
これは成功を渇望し、地位やお金を貪欲に求める若者へ向けた支配人の言葉です。
地位やお金を求める、それはありふれた欲望ですよね。
ただ、それを求める理由は何なのでしょうか。
心からお金が欲しい、高い地位が欲しいと渇望しているのであれば、それは間違ったことではありません。
ここで問題視されるのは、“人の目“を気にした結果から出てくる欲望です。
追いかけたい夢があるけれど、世間体を気にしたら、、そんな悩みを持つ人へのメッセージが、第1話の若者に向けて発せられます。
本当に自分が求める気持ちに耳を傾ける、周囲の目線を気にしない、難しいことではありますが、本当の意味での人生を歩むためには、必要な心構えになるのではないでしょうか。
子供の心に目を向ける


ここでいう子供の心とは、本当の意味での子供の心ではなく、「自分自身が持つ子供の心」のことを指します。
これはどういうことかというと、人は“大人の心・“子供の心“の二つを持って存在しています。
前者は理性的な心、後者は感情的な心と言い換えるとイメージしやすいでしょう。
ただし、人は皆、感情的である“子供の心“を軽視してしまう傾向にあります。
世間に出て、感情的すぎる人がいたら敬遠されてしまうのは当たり前ですよね。
でも、この“子供の心“という感情が、自分に向き合うためには非常に大事な意味合いを持ちます。
“子供の心“とは、言ってしまえば、世間体や他のこととか全部無視して、本当の意味での自分の気持ちという位置付けです。
これを無視し続けてしまうと、本当に自分のやりたいことが見えなくなってしまうのです。
本当に自分がやりたいことは?大切にしてるものとは?それらの答えを得るためには、時に“子供の心“に耳を傾けて、自分自身の本心を尊重することが大切なのです。
失った後を考える


歩み出せない理由、変えられない理由は、失うことが怖いからです。
何を失うのかは、選ぶ道によりますが、例えば仕事から逃げたいと悩む人を考えてみましょう。
今より給料下がるからやめられない、とか、アルバイトは世間体がわるいよな、とか、そのような考えをいただいて、道を変えられないのだと思います。
そこで、本当にそうなのか、職を失ったらどうなのかを具体的に考えて見る必要があります。
東京都内であれば、時給1,000円の仕事もあるでしょう。その仕事につけば、一定額の月給を得ることは可能なはずです。
ちょっとの期間はアルバイトをして、また次の道を考えればいいのです。
今の辛さから逃げた時にどうなるのか、その苦しみは今とどう変わるのかを、具体的に考えてみる。
給料は下がって、新しい仕事を覚える必要はあるかもしれませんが、より楽な人生を生きるためには、一時苦渋を舐めることも選択肢としては考えうるものになります。
失う怖さは誰にでもあり、当然の悩みですが、本当にそうなのかと考え直した時には、もしかしたら違う答えがやってくるかもしれません。
まとめ
本記事では、紀里谷和明さん著の「地平線を追いかけて満員電車を降りてみた」を紹介させていただきました。
作中の若者と同じような悩みを抱いている人がいれば、きっと進むべき道の兆しとなると思います。
内容としては、アドラー心理学を題材にした「嫌われる勇気」に似ているなぁと思いつつも、こちらの方がよりポップで感情移入はしやすいのではないかと思いました。
本記事もお読みいただき、ありがとうございました!!
コメント