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【書評】軍配者シリーズ第一弾。熱中できる歴史小説【早雲の軍配者】

富樫倫太郎さんによる軍配シリーズの第一弾。北条家に仕える風間小太郎を主役に据えた一冊。戦の趨勢を握る軍配者としての成長を描く。

なごむ

こんにちは!
歴史小説大好きななごむです!

本記事では富樫倫太郎さんが描く「早雲の軍配者」を紹介させていただきます。

目次

あらすじ

伊豆・相模の地を平定した北条早雲の次なる策は、周辺諸国から領地を守る次世代の指導者たちを育てること。風間一族の少年・小太郎は学問の才を見出され、早雲の直弟子として日本最古の大学「足利学校」へ送り込まれた。若き日の山本勘助らと机を並べながら兵法・占術・陰陽道・医術・観天望気・軍陣の作法など、戦国大名のブレーン「軍配者」に必須の学問を修めた小太郎は、やがて戦場で友たちと再会する…。

「早雲の軍配者」の見所

エンタメ性の高い一冊

本書の見所としては、非常にエンタメ性の高い一冊になっており、どの層にも読みやすい本である点です。

それぞれ北条家・武田家・上杉家に仕えることとなる、風間小太郎・山本勘助・曾我冬之助という3人の若者を主軸に据え、軍配者としての成長、若き日に共に学んで育んだ友情、そして関東の覇権を争うことになるライバル心といった要素が散りばめられており、とても熱中できる作品になっています。

作品名にもなっている「軍配者」というポジション、そして三部作それぞれの主人公に据えられている若者の成長・競り合いがテンポ良く描かれているため、手に取ったら一気に読み進められるような作品です。

軍配者としての成長

今まで数多くの歴史小説を読んできながらも特に意識してなかった「軍配者」というポジション。まとめると以下となります。

✔︎ 兵法・占術・陰陽道・医術・観天望気・軍陣の作法に通じ、軍の趨勢を担う
✔︎ 過酷な勉学を積んだもののみが努められる難関な役割
✔︎ 各得意な領域があるために、複数の軍配者を雇って役割分担をしていたことも

一言で言うと、「軍の参謀」的な立ち位置となります。

戦国時代の参謀というと、徳川家に仕えた本多正信や石田家の島左近など兵法に通ずる者が思い起こされると思いますが、その他にも天気を読む力や、占いなどにも精通した非常に優秀な人材のみがなれる役割でした

その軍配者となるため、関東の足利学校で共に勉強することとなる小太郎・勘助・冬之助。彼らの青春時代が非常に面白みのある要素として描かれているため、ページをめくる手が止まりません。

3部作を通して描かれる友情・ライバル心

関東の覇権を争うこととなる北条家・武田家・上杉家の軍配者となるために、同時期に友として勉学に励んだ3人は、やがて主家の存亡をかけた戦いに身を投じることとなります。

本書では風間小太郎と、曽我冬之助のみの戦いしか描かれませんが、続編で描かれる戦いにも期待感が持てる描き方になっているので、次を楽しみとする気持ちを持てるのもいい作品である証と言えるでしょう。

本の基本情報

作品名:早雲の軍配者
著者:富樫倫太郎
出版社:中央公論新社
発売日:2013/11/22
ページ数:【上】290ページ【下】288ページ

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まとめ

富樫倫太郎さんによる「早雲の軍配者」を紹介させていただきました。

本書単品でも非常に面白い作品なのですが、続編含めて非常に期待感の持てる良書なっています。

本記事もお読みいただき、ありがとうございました!

当シリーズはこちらでも記事を書いておりますので、お読みいただけると嬉しいです!

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