絶望の籠城戦を戦い抜いた女武将・妙林尼。勇猛で知られる島津軍を相手に16度に渡り撃退。彼女の壮絶な活躍と、若き日における悲しき恋の物語。
こんにちは!
歴史小説大好きななごむです!
本記事では、赤神諒さんの「妙麟」を紹介させていただきます。
あらすじ
戦国末期の天正十四年十二月、九州最大の大友家が、今、滅びの時を迎えている。
大友宗麟の重臣吉岡家の鶴崎城では、ひとりの留守居の女武将が、御仏に仕える尼僧の身でありながら、女子供年寄りたちと残り、島津軍相手に籠城していた。
「一戦も交えずして敵に降るなぞ、武門の恥」と降伏を拒絶し、抗戦の道を選んだ妙。
十三年前、激烈な政争によりキリシタンの右京亮との恋は無惨にも引き裂かれ、吉岡家に嫁いだものの、島津との戦で若くして夫覚之進を失う。
復讐に燃える妙は、滅びゆく国の小さな城で、驚異の抵抗戦を展開してゆく。著者のライフワーク「大友サーガ」初の女武将を生き生きと描く、戦国ロマン小説!!
「妙麟」の見所
“九州のジャンヌ・ダルク”と呼ばれた妙林尼
本作品の主人公である「妙林尼」ですが、史料にほとんど残っていないため、名が知られることはなく、恐らくほとんどの作品に取り上げられていない人物です。
簡単に紹介すると以下です。
✔︎ 大友家家臣である吉岡鑑興の妻
✔︎ 大友家と島津家の戦いでは、島津家からの侵攻を16度に渡って退けた
女性及び出家した身でありながらも、居城である鶴崎城に籠り、勇猛で知られる島津家の軍勢を寡兵ながらも16度に渡り退けたという逸話をもった人物です。
キリシタンの若者との叶わぬ恋
若き日の妙麟尼が一目惚れをした、臼杵右京亮(統尚)。彼との関わりが物語の大きな流れを生みます。
幼き頃に父と母を亡くし、臼杵家に引き取られたが、本家の人間に疎まれて育った右京亮。
自身の力を磨き、権力を手に入れ、人の上に立つことで復讐を果たすことを心に秘めた右京亮は、権力に近づく手段としてキリシタンになることを選びます。
当時の大友家では、キリシタン派と反キリシタン派が争い、家を二分するほどの危機に陥っている状況でした。
力を求める右京亮は、そんな状況を利用し、家内に混乱を生むために暗躍していました。
お互いに恋をしながらも、政争の闇に引きづり込まれる右京亮と、彼と結ばれることを願う妙林尼。
ハッピーエンドが待っていないことを予期しながらも、ハラハラドキドキ読み進められる一冊です。
エンタメ作品として読むことをオススメ
妙林尼を始め、主役となる右京亮共に、史料に多分に情報が残っている人物ではないので、あくまでフィクションであることを理解して読むことをオススメします。
コテコテの戦国時代小説ではなく、あくまでエンタメ作品であること。
それを前提とするのであれば、シンプルに面白いと思える作品です。
個人的には、赤神諒さんの他作品である、「空貝」に展開がやや似てるなという気持ちを抱いたのですが、こういう叶わぬ恋的な展開は結構好きだったりするので、十分面白いと感じました。笑
私は「空貝」を読んでから、「妙麟」を読んだのですが、本作品を読んで面白いと思った方は、「空貝」も大変オススメですので、是非ともお手にとってみてください!
本の基本情報
作品名:妙麟
著者:赤神諒
出版社:光文社
発売日:2019/7/17
ページ数:335ページ
まとめ
赤神諒さんの「妙麟」を紹介させていただきました。
エンタメ作品として非常に面白い作品と思いますので、是非ともお手にとっていただければと思います。
本記事もお読みいただき、ありがとうございました!
コメント