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【戦国十二刻 女人阿修羅】木下昌輝 戦国に生きた女性たちの24時間

歴史の転換点となる出来事までの24時間を描く「戦国十二刻シリーズ」第三弾。戦国に生きた7人の女性にフォーカスし、ある24時間を濃密に描く。

なごむ

こんにちは!
歴史小説大好きななごむです!

本記事では、木下昌輝さんの「戦国十二刻 女人阿修羅」を紹介させていただきます。

目次

あらすじ

歴史の大事に至るまでを濃密に描く「戦国十二刻」シリーズ。

荒れ狂う時代に翻弄される七人の女性の一日に迫る作品集。

家康の子を身ごもった阿茶の局の覚悟、愛に報いる細川ガラシャの永遠の命。

じりじりと史実に迫り濃く熱い時を刻む、歴史を操る時代小説イノベーション!

「戦国十二刻 女人阿修羅」の見所

戦国十二刻シリーズ第三弾

木下昌輝さんが描く戦国十二刻シリーズの第三弾となっているのが本作品です。

第一弾が、時代の終わり・死を描く、「戦国十二刻 終わりのとき」。第二弾が、時代の始まり・転換期を描く、「戦国十二刻 始まりのとき」。そして第三弾の本作が「戦国十二刻 女人阿修羅」です。

“十二刻”とあるように、24時間即ちある1日を切り取って描くのが特徴の本シリーズ。

「戦国十二刻 女人阿修羅」もその例に漏れず、時代に翻弄された女性たちの一日を描いた作品が収められた短編集です。

戦国に生きた女性にフォーカスした作品

中々女性だけをフォーカスする作品は少ない中、本作品では7人の、戦国を生きた女性の話が収められています。

✔︎ 阿茶:徳川家康の側室。小牧長久手の戦いで、家康が勝利するまでの24時間を描く。
✔︎ ガラシャ:細川忠興の妻、明智光秀の娘。人質となるのを拒み、死を選ぶまでの24時間を描く。
✔︎ 花:諏訪勝右衛門の妻。高遠城から脱出するまでの24時間を描く。
✔︎ 賛姫:吉川元春の妻。元春と婚約が成立するまでの24時間を描く。
✔︎ ジュリア:大友宗麟の正室の侍女。耳川の戦いで、大友家が敗北するまでの24時間を描く。
✔︎ 義姫:最上義光の妹、伊達政宗の母。最上家と伊達家を和睦させるまでの24時間を描く。
✔︎ 千代:織田信孝の母。織田信孝が千代を犠牲に和睦するまでの24時間を描く。

ガラシャや阿茶など著名な女性から、花や千代など、ある程度虚構も交えて描かれているだろう女性など、バラエティに富んだ7名の女性が描かれています。

どの章も40ページほどとボリュームは少ないですが、読み応えはかなりあります。また、前提知識がなくても没入できるので、あまり歴史が詳しくない方にもオススメ。

戦国の女性にハッピーエンドは少ない

本作品で描かれている女性たちは、側から見たらハッピーエンドと言えることはないでしょう。

その時代に生きた人たちからすれば、自分を犠牲にしてまで守りたいものを守れたらハッピーと言えるのかもしれませんが、どれも気持ちが晴れやかになる、というような終わりではありません。それだけ背負うものが大きかった、命や大切なものを賭してまで戦う必要があったということかもしれません。

スカッと気持ちいい終わりはありませんが、どの作品も濃密な40ページになっており、描かれ方も読者を唸らせるものばかりです。戦国の女性の強さ・芯が垣間見える質の高い一冊になっています。

本の基本情報

作品名:戦国十二刻 女人阿修羅
著者:木下昌輝
出版社:光文社
発売日:2022/12/21
ページ数:304ページ

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まとめ

木下昌輝さんの「戦国十二刻 女人阿修羅」を紹介させていただきました。

戦国に生きた女性の24時間にフォーカスするという興味深い一冊になっています。

本記事もお読みいただき、ありがとうございました!

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