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【書評】豊後のヘラクレスと呼ばれた男の生き様【大友の聖将】

柴田礼能、またの名を天徳寺リイノ。かつて悪鬼と呼ばれた男は信仰と愛により聖者に生まれ変わる。忠義と愛と信仰を胸に、主家の滅亡を防ぐために奮闘するリイノの生き様を描く一冊。

なごむ

こんにちは!
歴史小説大好きななごむです!

本記事では、大友家の武将である天徳寺リイノを主人公とした「大友の聖将」を紹介させていただきます。

目次

あらすじ

大友の命運、そちと天主にゆだねる―――
かつて悪鬼と呼ばれた聖将が、「愛」と「信」と「義」のために決死の闘いを挑む。
果たして奇跡は起きるのか。
『大友二階崩れ』が話題沸騰(第9回日経小説大賞受賞作)
大型新人による渾身の歴史小説エンターテイメント。
自慢の十字槍の腕前で大友の宿将・戸次鑑連(後の道雪)に
仕官を許された柴田治右衛門(後の天徳寺リイノ)は、
大友宗麟の近習となり順調に出世してゆくが、
愛する女性のために主君を裏切り、蟄居を命じられた。
約二十年後、道雪の推挙で再仕官したリイノは大友のために、命を燃やす……

「大友の聖将」の見所

天徳寺リイノの生き様

まずは本作の主人公、天徳寺リイノを簡単に紹介させていただきます。

✔︎ 大友家の家臣
✔︎ 洗礼前の名は柴田治右衛門。洗礼後は柴田礼能(リイノ)、天徳寺リイノとも
✔︎ 没落にも関わらず大友家に従い、丹生島の戦いで奮戦・戦死
✔︎ 槍の名手と言われており、宣教師の間では「豊後のヘラクレス」と呼ばれる

著名な武将ではないため、情報があまり残っておらず、簡単にまとめると以上のような経歴となっています。

本作ではこの天徳寺リイノを主人公に据え、悪鬼と呼ばれた若年時代を第一部とし、第二部では滅亡をひた走る大友家に従い、主家の窮地を救うべく奮戦する、という一冊となっています。

若年時代は悪行の限りを尽くしたリイノですが、あるきっかけを経て聖者に生まれ変わることとなります。

物語前半と後半では別人のような描かれ方になっており、何故こう生まれ変わったのかという目線で見ていくことにより、深みを感じられる構成です。

何のために生きるかを考えさせられる

忠義と信仰と愛に生きたリイノの姿を見ると、自分が何のために生きるのかを考えさせられます。

彼は、自分自身を救ってくれた忠義と信仰と愛のために生きることで悪人から聖人と生まれ変わることができました。

物語後半の、迷いなき聖人となり清々しく生きるリイノを見ると、自分もそんな風に生きたいという活力を得られ気がします。

待ち受ける苦難に立ち向かうリイノに涙する

滅亡を救うために必死で戦うリイノと、その行手を妨げる者達との対比がドラマチックに描かれているため、とても感情移入してしまいます。

逆境が待ち受けてもひたむきに立ち向かうリイノとそれを邪魔する者達。

それでもまた立ち上がりなんとか生き抜くための方策を見出すリイノ。

そんなやり取りがスピード感あって描かれているため、後半はページをめくる手が止まらなくなるでしょう。

ちょっと気になったのは、赤神諒さんの別作品「酔象の流儀」と話の構成が似ているということ。

個人的にはこういう展開は好きなので良いのですが、、笑。

いくら逆境が待ち受けようとも自身の思いのためにひたむきに戦う、みたいな姿勢が好きな方・本作品が好きになった方には、「酔象の流儀」も大変オススメです。

本の基本情報

作品名:大友の聖将
著者:赤神諒
出版社:角川春樹事務所
発売日:2018/7/12
ページ数:320ページ

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まとめ

本記事では赤神諒さんの「大友の聖将」を紹介させていただきました。

私自身初めて知った人物なのですが、物語のテンポ・ストーリー性が良いため、とても楽しく読むことができ、大変オススメな一冊です。

是非ともお手に取っていただけると嬉しいです。

本記事もお読みいただき、ありがとうございました!!

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