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【書評】戦国版パイレーツオブカリビアン【雑賀のいくさ姫】

血で血を洗う戦乱の世に突如現れた侵略者。自らの国を守るため、西国大名が一致団結して立ち向かう戦国版パイレーツオブカリビアン。

なごむ

こんにちは!
歴史小説大好きななごむです!

本記事では、天野純希さんの「雑賀のいくさ姫」を紹介させていただきます。

目次

あらすじ

イスパニアのイダルゴ(騎士)の家系に生まれたジョアンは、乗り込んだ船での内紛と難破のはてに、紀伊雑賀のいくさ姫、鶴に拾われる。

鶴はカラベル船を修復した「戦姫丸」に乗って商いのためにジョアンらと南洋に向かうが、海賊や大名の思惑、そして過去の因縁に巻き込まれていく。

雑賀、村上、毛利、大友、島津―戦国の西国大名オールスター水軍が、日本を狙う大海賊と雌雄を決する。

「雑賀のいくさ姫」の見所

敵国からの侵略に対し共闘する戦国オールスター軍

この本を読んで真っ先に思い浮かんだのが、かの有名な映画の「パイレーツオブカリビアン ワールドエンド」でした。

こちらの映画は、海賊と敵対する勢力の台頭により海賊の世界が脅かされ、いつもは敵として戦っていた各海賊団たちが一つになって敵対勢力に立ち向かうといった物語です。

正しく本書もそんな展開。

中国から日本、東南アジアの海域を荒らす「林凰」といった海賊が、日本の侵略を目論み侵攻してくることになります。

普段は自国の領地保全、領地拡大だけに不審する戦国の武将たちが、お互いの利害を越えて一致団結するといったアツい展開です。(そんな簡単に結託もできるわけはなく、ちょこちょこいざこざは起きるのですが、、)

毛利・大友・島津といった西国の大大名や、有馬・松浦といった小国の大名、そして海賊や傭兵集団である村上水軍・雑賀一族が結託するという史実ではあり得ない展開は胸を躍らせる物語です。

海戦を取り上げた珍しい戦国小説

数多の戦国時代小説が創刊されてきましたが、海戦をメインストーリーに置いた物語ってそんなに多くないと思うのですよね。

そもそも戦国時代の大きな合戦は陸上で行われているので、史実としても書き上げる合戦がないということなんでしょうか。。

あるとすれば、毛利家と織田家が大阪湾で戦い、かの有名な鉄甲船が用いられた「木津川口の戦い」ぐらいですかね。

ということで、戦国時代の小説でどんな海戦を描くのかと興味津々だったのですが、映画のシーンが思い浮かぶようなリアリティのある書きっぷりで描かれている本書。

展開展開に勢いがあり、海戦シーンは必見です。

個人的なオススメとしては、海戦シーンがよりリアルに思い浮かぶと思うので、パイレーツオブカリビアンを見ておくのが良いですかね。笑

個性的なキャラクターの数々

本作は、雑賀一族の姫である「鶴」や、今でいうスペイン人に当たる「ジョアン」という二人の架空の人物が主人公となり進んでいくストーリーです。

口調が特徴的で男勝りながらも船員思いの「鶴」、理想を抱き日本に来たが何をしてもパッとしないダメダメな「ジョアン」という非常に個性豊かな主人公の二人です。

他にも、無口な狙撃手や二刀流の剣豪、陽気なアフリカ人といった個性的な乗組員であったり、西国オールスターズの面々もキャラ付けが強いです。

個人的に好きだったのは、毛利家の「小早川隆景」です。

本書の登場人物が、わりとキャラが濃くうるさ目な面々が多いながらも、冷静沈着で的確にオールスターズをまとめる姿がカッコいい人物です。

本の基本情報

作品名:雑賀のいくさ姫
著者:天野純希
出版社:講談社
発売日:2018/11/15
ページ数:330ページ


まとめ

天野純希さんの「雑賀のいくさ姫」を紹介させていただきました。

西国大名オールスターズが繰り広げる海戦がアツい物語です。

本記事もお読みいただき、ありがとうございました!

本書の著者、天野純希さんの作品はこちらでも紹介しております。是非ともお読みください!

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