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【書評】真田家の運命を賭けた、激闘の上田城合戦【真田の兵ども】

戦国時代有数の謀将・真田昌幸。土地を愛し、民を愛した男に待ち受ける運命。二十倍もの大軍を相手に立ち向かう男達。父・兄弟に分かれて戦う昌幸・信幸・信繁、それぞれが抱える想いとは。

なごむ

こんにちは!
歴史小説大好きななごむです!

本記事では佐々木功さんの「真田の兵ども」を紹介いたします。

目次

あらすじ

舞台は稀代の策士・真田昌幸が愛して作り上げた、信州小県郡、上田の地。


日の本を真っ二つに分けた大乱に強大な敵が攻め来る。

敵は天下取りへ驀進する徳川家康。

二十倍の大軍勢を前に、一族、家臣、城、領地、民、忍び、すべてをつぎ込んだ真田の戦略が動き出す。

密命を帯びた真田忍びの源吾は、真田信幸付き小姓に姿を変え、敵味方の間を駆け続ける。

果たして若き忍び武者の役割とは! ? そして、真の正体とは! ?

野望、宿命、誇り、謀略――様々な因縁が交錯する上田城攻防戦。

民とともに、一族の存亡と男の夢を賭けた真田家の戦いに刮目せよ! ! 

「真田の兵ども」の見所

真田昌幸の人柄を味わう一冊

戦国時代小説でも人気のテーマに上がる真田家。

本作品では、そんな真田家を主役に取り扱い、関ヶ原直前の犬伏の別れから第二次上田城合戦までを描きます。

犬伏の別れとは、真田家生き残りを賭けた出来事です。関ヶ原の戦い直前、上杉家討伐に向けて北進する徳川軍に従軍した真田家(昌幸、信幸、信繁)は、東軍・西軍どちらが勝っても真田家が生き残れるよう、昌幸・信繁(幸村)は西軍に、信幸は東軍に付くという選択を取ります。「犬伏」という場所で、この生き残りの秘策が談義され、袂を分かつことになったから、この出来事を「犬伏の別れ」と呼びます。

真田家といえば有名なのは信繁、次いで信幸といった順の印象。

大阪の陣で活躍した信繁は言わずもがな、取り扱われるの信幸までといったところで、昌幸をメインで取り扱う作品は少ないはずですが、本作品では真田昌幸をかなりフューチャーしており、真田家ファンとしては嬉しい一冊になります。

戦力に乏しいながらも、武田家・織田家・徳川家・上杉家・北条家といった大国に囲まれながら生き抜いた昌幸は、一般的には「老獪」で「謀略」を用いた「智将」といったイメージが強いことでしょう。

そんなイメージを覆す、明るく闊達で、民に慕われる愛すべき当主といった昌幸像が描かれており、個人的には興味を惹く一冊でした。

昌幸・信幸・信繁 真田を背負う男の行く末

第一次上田合戦など、過去の遺恨から大の徳川嫌いの昌幸。

真田の名を背負いながらも、徳川家重鎮・本多忠勝の娘を妻とし、徳川派である信幸。

父や兄と変わって目立たず寡黙な一面を持ちながらもひたむきに父の教えを受け継ぐ信繁。

家を守るために、父・兄弟が袂を分つという難しい局面において、一人一人が大切にした想い、守りたいものとは。

困難な状況においても、守るもののため身命を賭して戦う彼らの生き様に胸が打たれます。

次作に期待のエピローグ ※ややネタバレあり

本作品は、第二次上田合戦までが中心となり、エピローグで少し関ヶ原後の仕置きが描かれておりますが、真田家ファンといえば、この後のイベントは言わずともわかると思います。

九度山に流された昌幸と幸村、その後の大阪の陣。

そこまでは描かれていないのですが、エピローグで上がる名前に真田十勇士の名前がチラホラ…(詳細は本作でご確認ください!)

真田信繁が真田十勇士と共に戦う大阪の陣がどのように描かれるのか、といった次作品にも期待が持てるエピローグとなっています。

本の基本情報

作品名:真田の兵ども
著者:佐々木功
出版社:角川春樹事務所
発売日:2021/12/15
ページ数:368ページ

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まとめ

佐々木功さんの「真田の兵ども」を紹介させていただきました。

あまり取り上げられない真田昌幸を中心に描かれる、真田の男たちの奮闘がアツイ一冊です。

本記事もお読みいただき、ありがとうございました!!

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